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中世都市研究会徳島大会「武家の拠点と港町 -紀伊水道内海世界の港津と権力-」 [お知らせ]

四国の中世史研究に関連する研究会が開催されるので、ご案内します。会員が関与していますが、本会の企画ではありません。

中世都市研究会徳島大会「武家の拠点と港町 -紀伊水道内海世界の港津と権力-」
●会 期  2018年9月1日(土)・2日(日)
●主 催  中世都市研究会(代表 五味文彦,小野正敏,玉井哲雄)
      徳島大会実行委員会
●趣 旨  
 中世後期における阿波国の政治拠点は,約2世紀の間に,秋月,勝瑞,一宮,徳島と変遷しました。徳島県では,「城下町科研」(中世・近世移行期における守護所・城下町の総合的研究:研究代表・仁木 宏)での取り組みの一環として,この推移を一体的にとらえ,政治拠点変遷の社会的背景とその意味の解明を目指すととともに,近年の発掘調査で構造が明らかにされつつある守護町勝瑞遺跡の都市としての性格について検討し,近世城下町・徳島への移行のあり方について考察してきました。一方,同じ中世後期について,流通・経済史的側面からは,「兵庫北関入船納帳」にみられる畿内への木材搬出の動きと,その「返り荷」としての可能性を持つ六甲花崗岩製一石五輪塔や播磨型羽釜の搬入について検討がみられたほか,昨年の地方史研究協議会・徳島大会では,堺を中心とする木材の流れなど,必ずしも兵庫津に収斂しない流通の重要性についての指摘がありました。
 中世都市研究会徳島大会では,従来パラレルに把握されがちであった上記の二つの研究動向を,同時代の社会を形成する不可分の要因としてとらえ,流通拠点としての「港津」と政治拠点である「守護所・城下町」が,社会背景を反映させながら次第に接近し,最終的には一体化していく過程を阿波国において解明していきたいと思います。
 今回の会場となる阿南市は,中世後期に港町が簇生した阿波国南部の拠点都市であり,複数の古絵図が存在すること,前近代の地割りが良好に遺るなど,港津とこれを扼する城館(=権力)との関係を端的に把握できる格好のフィールドです。今大会は,検討の対象となる地域を,阿南市などに代表される「紀伊水道沿岸地域」に求め,これを囲繞する阿波・土佐・紀伊・淡路を相互に関連する地域ブロックとして比較し検討していきます。    
 中世後期の日本では,大阪湾,伊勢湾,江戸湾などの「内海世界」が政治的・経済的拠点となり,後には,これが相互に関連し一体化していくことにより,近世社会が展開してゆきました。今大会では,このような流れを踏まえ,首都圏に直結する「内海世界・紀伊水道」を舞台に中世後期から近世初頭にいたる都市の形成について考え,地域モデルの提示を試みたいと思います。

●参加費 2000円(資料代)
●会 場  阿南市ひまわり会館・ふれあいホール(徳島県阿南市)
●宿 泊 各自で確保をお願いします。
●申込締め切り=8月10日(金) 以下のフォーマットで事務局(石井伸夫氏)までご連絡ください
8月31日(金) 前夜祭(懇親会)  参加 or 不参加
9月 1日(土) エクスカーション  参加 or 不参加
9月 1日(土) 研究会(第1日)  参加 or 不参加
9月 1日(土) 当夜祭(懇親会)  参加 or 不参加
9月 2日(日) 研究会(第2日)  参加 or 不参加
※連絡先 徳島県立鳥居龍蔵記念博物館 石井伸夫
     ishiiichihara(at)mg.pikara.ne.jp [(at)→@]

●懇親会
 前夜祭 8月31日(金)18:30~ 場所未定(会費=4000円)
      ・エクスカーション(9月1日午前中)のため前泊する方が対象です。
 当夜祭 9月1日(土) 18:30~ ロイヤルガーデンホテル大宴会場(5000円) 

●日 程
◎第1日
巡 見
09:00-11:30
向井公紀・島田豊彰「阿南市・牛岐城跡と富岡城下町」
※JR阿南駅・西口に9:00に集合してください(雨天決行)
 【 昼食 】
問題提起 13:00-13:30
石井伸夫(徳島県立鳥居龍蔵記念博物館)「紀伊水道内海世界の港津と権力」
報告1  13:30-14:00
重見高博(藍住町教育委員会)「港津機能からとらえ直す守護町勝瑞」
報告2  14:00-14:30
島田豊彰(徳島県埋蔵文化財センター)「考古資料からみた中世阿波の流通」
報告3  14:30-15:00
長谷川賢二(徳島県立博物館)「紀伊水道をはさむ宗教・文化交流」
《 休憩 》
報告4  15:10-15:40
西本沙織(徳島市教育委員会)「石造物流通から見た紀伊水道内海世界」
報告5  15:40-16:10
北野隆亮(和歌山市文化スポーツ振興財団)「備前焼流通からみた紀伊水道内海世界」
報告6  16:10-16:50
山上雅弘(兵庫県考古博物館)「淡路の港津と権力」
報告7  16:50-17:40
吉成承三(高知県埋蔵文化財センター)・池澤俊幸(高知県埋蔵文化財センター)
「土佐の港津と権力」
※懇親会 18:30~

◎第2日
事例1  09:00-09:15
下田智隆(鳴門市教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・撫養(岡崎)」
事例2  09:15-09:30
向井公紀(阿南市教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・牛岐(富岡)」
事例3  09:30-09:45
林 泰治(阿波市役所)「阿波九城と城下の空間構造・西条東」
報告8  09:45-10:15
根津寿夫(徳島市立徳島城博物館)「渭津と徳島初期城下町について」
《 休憩 》
報告9  10:25-11:05
新谷和之(近畿大学)「紀伊の港津と権力」
報告10  11:05-11:45
大澤研一(大阪歴史博物館)〔予定〕「和泉の港津と権力」
【 昼 食 】
報告11  12:45-13:25
綿貫友子(神戸大学)「紀伊水道内海世界の交流と物流」
コメント 13:25-13:40
森脇崇文(徳島市立徳島城博物館)「中世阿波政治史の視点から」
コメント 13:40-14:00
仁木 宏(大阪市立大学)「中近世都市史の視点から」
討 論  14:10-16:10 
コーディネーター 石尾和仁(徳島県立総合教育センター)・須藤茂樹(四国大学)
                  
※紙上報告
郡司早直(海陽町立博物館)「阿波九城と城下の空間構造・海部」
宮城一木(徳島市教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・一宮」
井形玲美(吉野川市教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・川島」
小島靖彦(美馬市教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・脇町」
佐藤俊祐(牟岐町教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・仁宇(和喰)」
秋田愛子(三好氏教育委員会)「阿波九城と城下の空間構造・池田(大西)」

※報告のタイトルは仮題ですので,今後変更される可能性がありますが,趣旨に変更はありません。
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